重力波の検出とLIGO
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 07:55 UTC 版)
「キップ・ソーン」の記事における「重力波の検出とLIGO」の解説
ソーンの研究は、地球上で観測された重力波の強さとその時間的な兆候"シグネチャー"の予測を扱ってきた。これらの「シグネチャー」は、ソーンが主導的に推進してきた複数機関の重力波実験であるLIGO (Laser Interferometer Gravitational Wave Observatory)に大きく関連している。1984年には、2つ以上の「静的な」点間の揺らぎを識別して測定するLIGOプロジェクト(NSFが資金提供した史上最大のプロジェクト)を共同で立ち上げた。ソーンの研究はこれらの物体を解析するために必要な数学的手法を開発したことである。ソーンはLIGOの特徴について工学的な設計解析を行い、重力波を求めるためのデータ解析アルゴリズムについてアドバイスを行っている。LIGOがターゲットとすべき重力波源の特定、LIGOビーム管内の散乱光を制御するためのバッフルの設計、Vladimir Braginsky(モスクワ、ロシア)研究グループとの共同研究により、先進重力波検出器のための量子非脱磁設計の考案、先進検出器で最も深刻な種類のノイズである熱弾性ノイズを低減する方法の考案など、LIGOの理論的なサポートを行っている。カールトン・M・ケーブス(Carlton M. Caves)とともに、高調波振動子の量子非消耗測定に対する逆作用回避アプローチを発明した。 2016年2月11日、LIGO科学共同研究を代表する4人の物理学者からなるチームは、2015年9月に、13億光年離れた場所で2つのブラックホールが衝突しているサインを記録したと発表した。この記録された検出は、重力波の儚いさえずりを初めて直接観測したものであり、アインシュタインの一般相対性理論の重要な予言を確認した。
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