酸化物とカルコゲン化合物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/24 06:40 UTC 版)
「ルテニウム」の記事における「酸化物とカルコゲン化合物」の解説
ルテニウムは酸化ルテニウム(IV)(RuO2、酸化数+4)に酸化することができ、さらにこれは過ヨウ素酸ナトリウムにより酸化され、揮発性で黄色四面体である四酸化ルテニウム(RuO4)となる。これは四酸化オスミウムに類似した構造と特性を持つ強力な酸化剤である。RuO4は主に鉱石や放射性廃棄物からルテニウムを精製する際の中間体として使われる。 ルテニウム酸二カリウム(K2RuO4, +6)および過ルテニウム酸カリウム(KRuO4, +7)も知られている。四酸化オスミウムとは異なり、四酸化ルテニウムは安定性が低く、室温で希塩酸やエタノールなどの有機溶媒を酸化する酸化剤として働くほど強く、アルカリ水溶液中で簡単にルテニウム酸塩(RuO2−4)に還元され、100 ℃以上では分解して二酸化物を形成する。鉄とは異なるがオスミウムとは同様に、ルテニウムは+2と+3の低い酸化数では酸化物を形成しない。ルテニウムは、黄鉄鉱構造で結晶化する反磁性半導体である二カルコゲン化物を形成する。硫化ルテニウム(RuS2)は鉱物のラウラ鉱(英語版)として自然に生じる。 鉄と同様に、ルテニウムはオキソアニオンを容易に形成せず、その代わりに水酸化物イオンで高い配位数となる。四酸化ルテニウムは低温の希水酸化カリウムにより還元され、ルテニウムの酸化数+7である黒色の過ルテニウム酸カリウム(KRuO4)を形成する。過ルテニウム酸カリウムは、ルテニウム酸カリウム(K2RuO4)を塩素ガスにより参加することによっても得られる。過ルテニウム酸イオンは不安定であり、水により還元されてオレンジ色のルテニウム酸塩を形成する。ルテニウム酸カリウムは金属ルテニウムを溶解した水酸化カリウムおよび硝酸カリウムと反応させることで合成できる。 MIIRuIVO3, Na3RuVO4, Na2RuV2O7, MII2LnIIIRuVO6などの混合酸化物も知られる。
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