選挙活動の指揮
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 03:32 UTC 版)
幹事長の最大の仕事は選挙活動を指揮し、勝利することである。選挙立候補者に対する公認権を持ち、さらに党財政も管理しているため、公認と資金両面から党内において絶大な発言力を握る。特に衆議院議員総選挙で小選挙区制が導入されたことで影響力がさらに強まったとされる。小選挙区制では政党から公認を受けない候補が立候補して当選すること(また公認候補を破って当選したとしてその後に自民党に入党すること)が、従来の中選挙区制に比べて格段に難しくなったとされるからである。党内基盤が脆弱な内閣総理大臣が衆議院解散を意図しても、選挙活動を差配する幹事長によって断念させられることもあった。 しかし、2007年(平成19年)に総裁に就任した福田康夫は総裁直属の選挙対策委員会を設置して選挙対策委員長を従来の党三役と合わせて党四役と位置付けて総裁指名によるものとし、幹事長の重要な職権である選挙指揮を委員会に移管した。2009年(平成21年)の衆院選で野党に転落した後に総裁となった谷垣禎一が委員会を選挙対策局に変更格下げし、幹事長が再び選挙指揮を担うこととなったものの、2012年(平成24年)の衆院選で与党に復帰した後は総裁の安倍晋三によって福田と同様に総裁直属の選対委員会が再設置され、委員長は党四役として総裁の指名によるものとされた。 このように幹事長自身は選挙を指揮する最高責任者でありながら、第54代幹事長の甘利明は在任中であるにもかかわらず第49回衆議院議員総選挙で自身が新人候補に破れ小選挙区で落選、比例復活であったため幹事長を引責辞任した(在職35日は通算最短在任記録である)。
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