適用と目的
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/26 08:43 UTC 版)
「ノンパラメトリック手法」の記事における「適用と目的」の解説
ノンパラメトリック手法は順序尺度、例えばレストランの人気ランキングなどを分析する際によく使われる。ランキングには順序が反映されるものの、はっきりとした数値(比率尺度や間隔尺度)を提供されない尺度である。尺度水準という点で、ノンパラメトリック手法は順序尺度に基づくものである。データの順序尺度に基づくソートした結果があれば、経験累積分布関数を作ることが出来、ノンパラメトリック検定ではそれを利用する。 ノンパラメトリック手法はパラメトリック手法と比べて、母集団の分布などの前提を必要としない。そのためノンパラメトリック手法は広きにわたり適用できる(汎用性がある)。事前に詳しい事が解っていないデータや、社会科学や心理学におけるアンケート調査の分析などにおいて、ノンパラメトリック手法は広く使用されている。 ノンパラメトリック検定は、対応するパラメトリック検定(もし前提条件が満たされていれば)と比べて「パワー」が弱い。つまりパラメトリック検定と同じ「信頼」を得ようとした場合、ノンパラメトリック手法ではより多くの標本数を要することになる。パラメトリックとノンパラメトリックには、頑強性と効率性の間でのトレードオフが生じている訳である。ただし、例えば正規分布の場合、最善はパラメトリック検定のt検定であるが、ノンパラメトリック検定のウィルコクソンの符号順位検定を用いても、必要なデータ数は π / 3 {\displaystyle \pi /3} = 約1.05 倍であり、5%程度多めに標本が必要なだけである。 生態学などにおいて少数の標本しか調査できない場合など、ノンパラメトリック分析が多く使われる。ただし、パラメトリックの代替手法としてノンパラメトリック手法を使用した場合、根本的な帰無仮説が全く異なることに注意しなければならない。例えば独立二群のt検定の帰無仮説はμ1=μ2であるのに対し、それに対応するマン・ホイットニーのU検定ではP(xi>yj)=0.5である。
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