過去の談話との比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/28 21:58 UTC 版)
「安倍内閣総理大臣談話」の記事における「過去の談話との比較」の解説
村山談話(1995年)、小泉談話(2005年)はいずれも、8月15日に閣議決定、発表されているが、安倍談話は8月14日に閣議決定、発表された。15日の前日の14日に行った理由は、15日に「おことば」を述べる天皇に配慮したものだと言われている。 字数は3000字を超えており、約1300字の村山談話、約1100字の小泉談話を大きく上回る分量となっている。 過去の談話(村山談話・小泉談話)の「キーワード」とされていた、「植民地支配」「侵略」「痛切な反省」「おわび」については、文言としては盛り込まれている。しかし、「植民地支配」と「侵略」について、過去の談話では日本自身が行った行為として明示されていたのに対し、安倍談話では日本の行為との文脈では明確には触れられておらず、いずれも一般論としての言及となっている。「侵略」については戦後日本の不戦の誓いの形での言及であり、かつての日本の行為が「侵略」であったと直接言及することも避けている。また、「痛切な反省」と「おわび」についても、過去の談話を引用する形での言及にとどめ、首相自身の言葉としては語らず、首相自ら直接謝罪を表明することも避けている。ただし、「歴代内閣の立場は、今後も、揺るぎないものであります」と表明している。 過去の談話等でなされてきた「おわび」等の「謝罪」については、「あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」と言及した。これには謝罪の繰り返しに歯止めをかけ、区切りをつける狙いがあるとされる。この文言について首相周辺は、「『謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない』は大事なところ。もうこれ以上、謝る必要はないんだよ」と発言、日本経済新聞も記事の中で、「『謝罪外交』に終止符を打つ意思を表明」とした。
※この「過去の談話との比較」の解説は、「安倍内閣総理大臣談話」の解説の一部です。
「過去の談話との比較」を含む「安倍内閣総理大臣談話」の記事については、「安倍内閣総理大臣談話」の概要を参照ください。
- 過去の談話との比較のページへのリンク