運用と影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/05 23:02 UTC 版)
通常、5センチ角または2インチ角の紙にレタリングした原字(原図)を撮影し、写真製版により亜鉛板を腐蝕させ、墨を入れた文字の部分が凹んだパターンを作る。パターンの凹みを彫刻機のフォロアと呼ばれる針でなぞると、パンタグラフ機構によりカッターが真鍮を原字通りに縮小彫刻して母型が得られる。 これにより印刷書体のデザインは、以前のオプティカルスケーリング(線質やフトコロを調整するなど、大小に応じて最適な形にすること)から、リニアスケーリング(比例対応方式)に移行し、一つのパターンで複数のサイズの母型を作るようになった。 戦時体制・空襲被害からの復興、活字や母型の劣化・不足、種字彫刻師不足、当用漢字対応といった状況下で、活字の製造は大幅に効率化され、印刷品質も飛躍的に向上した。 一方で、フォロアやカッターの先端に太さがあるために細かい表現ができず、特に手彫りの種字にあった鋭さが失われたといった批判もあった。
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