運用と廃止
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/17 00:32 UTC 版)
朝鮮語新綴字法は6つの新たな字母を用いることが最大の特徴の1つであるが、この6字母は実質的に流布することがほとんどなかった。朝鮮語文研究会が1949年から1950年にかけて発行した学術雑誌『朝鮮語研究』の記事1つとってみても、6字母が用いられた記事は正書法解説や質疑応答など編集部の執筆によるごく一部の記事に限られており、個人の執筆した記事では6字母は殆ど用いられていない。従って、この時期の表記法は6字母を用いず、変格用言の表記法は「朝鮮語綴字法統一案」に従っている。一方、語頭の「ㄹ」の表記法や「絶音符」などその他の規定は朝鮮語新綴字法に従った。 6字母を最大特徴とする朝鮮語新綴字法が廃止された原因の1つには金枓奉の失脚がからんでいると見られる。金枓奉は解放後の北の朝鮮語学界において強い影響力を持っていたと見られ、朝鮮語新綴字法の制定に際しても主導的な立場にあったと推測されるが、朝鮮戦争後の延安派の粛清に伴い失脚した。1950年代の雑誌『조선어문』においては、6字母を厳しく批判しつつ、これらの「失策」を金枓奉の責任としている。
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