運命を変えた殺人
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/31 03:01 UTC 版)
「ディック・ターピン」の記事における「運命を変えた殺人」の解説
マシュー・キングの死に関するベイズの供述の多くは脚色されている可能性がある。ターピン自身の供述も含め、いくつかの記録では、1737年5月に実際何が起こったか異なる記述がみられる。初期の記事にはターピンがキングを撃ったと書かれているが、翌月に発行された同じ新聞はこれに対抗し、ベイズが致命傷を負わせたとしている。いずれにせよ、キングの殺害はその後のターピンの人生を大きく左右する事件となった。ターピンはエッピングの森の隠れ家(Turpin's Cave)に行ったが、森の管理者の召使いトーマス・モリスに見つかった。5月4日、ピストルで武装しターピンを捕らえようとしていたモリスを、ターピンはカービン銃で射殺した。その殺害の様子が『ジェントルマンズ・マガジン(英語版)』に記載されている。 去る5月4日水曜日、エッピングの森の管理者の一人ヘンリー・トムソンの召使いであるトーマス・モリスが、リチャード・ターピンによってキングと同じように野蛮な方法で殺害された。ロンドン近郊で行われたさらなる重罪、窃盗と今回の事件を受け、国王陛下は彼を発見し、逮捕、有罪判決につながる力となった者すべてに、陛下の偉大なる慈悲をもって200ポンドの賞金を与えることを約束された。ターピンはエセックス州タックステッド出身。30歳前後。肉屋。身長5~9フィート。褐色の肌。天然痘の後が目立ち、頬骨が張っている。顎は細く、背は低いが真っ直ぐと背筋が伸びており、肩幅が広い。 — 『ジェントルマンズ・マガジン』The Gentleman's Magazine(1737年6月)、 また複数の新聞が、5月6日・7日にターピンがエッピング近郊で2度の強盗を行ったと示唆している。ターピンはまた、自分の馬を失ったとも考えられている。これは、5月7日に、エリザベス・キングという女性が「赤獅子亭」でマシュー・キングが残した2頭の馬を手に入れようとしているためである。その馬は「追い剥ぎ」が所持していた疑いがあり、キングは逮捕されて聴取を受けていたが、刑罰を受けることなく釈放された。モリスの殺害でターピンの名は知れ渡り、逮捕に200ポンドの賞金がかけられた。
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