連続同音打弦性能
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 08:19 UTC 版)
「アップライトピアノ」の記事における「連続同音打弦性能」の解説
グランドピアノと同様の「ダブル・エスケープメント」機構を備えたアップライトピアノはこれまで製造されているが、製造コストが高く、出来上がった製品も上手く機能しなかったため、普及していない。 アップライトピアノの連打性能を上げることは顧客に対する訴求力となるため、各製造業者は様々な工夫・改良を行ってきた。シュタイングレーバーは以前「ダブル・エスケープメント」機構を備えた高さ140 cmのアップライトピアノを製造していた。現在は、ジャックスプリングの代わりに磁石を利用した「Steingraeber-Ferro-Magnet (SFM) Action」を搭載したモデルを販売している。ザイラーも磁石を利用した「Super-Magnet-Repetition(SMR)system」を開発し、一部モデルでオプションとして提供している。ザウターはR2と呼ばれる板ばねを追加した「R2(ダブルレペティション)アクション」の特許を取得している。ヤマハは従来型のバットスプリングの代わりに板ばねを使用した「クイックリターンアクション」を搭載したモデル(YUA)を1978年-1982年に販売したが、ノイズが生じる問題があった。 米国ワシントン州スタンウッドのピアノ企業Fandrich & Sonsはアップライト用の「Fandrich vertical action」を開発し、これをチェコ製や中国製(珠江〔パールリバー〕)ピアノに搭載して販売している。藤井ピアノサービスはハンマーとジャックの戻りを促進するために従来のアクションにスプリングを追加し、バット形状の加工を行う「グランフィール」技術を開発した。 東洋ピアノ製造のSSS (slide soft system) シリーズは弱音ペダルがハンマーを弦に近付けるのではなく、ハンマーを横にシフトさせるため、ブライドルテープの緩みをなくした調整が可能で、これにより連打性能を上げている。 いずれもばねや磁石を追加することに起因する長所と短所(ばねの劣化、ピアニッシモのコントロールのし易さ/し難さなど)があるとされる。
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