通関業の許可
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 13:48 UTC 版)
通関業は、他人(依頼者)の名を用いて、その他人(依頼者)の通関業務を代理する業務であるため、財務省本省の地方支分部局である税関を監督官庁とする許可制となっている。許可権者は財務大臣であるが、通関業を営もうとする地域を管轄する各地区の税関長に権限が委任されており、実行上の監督をするのは各税関の業務部に属する首席通関業監督官または通関業監督官である。 通関業の許可制度は通関業法に定められている。許可の基準は以下のとおりである。 許可申請に係る通関業の経営の基礎が確実であること その人的構成に照らして、その行おうとする通関業務を適正に遂行することができる能力を有し、かつ、十分な社会的信用を有すること 通関業を営む営業所につき、通関士が設置されること 通関業の許可は全国において有効である。従前は、その許可の申請を提出した税関の管轄区域内においてのみ有効であり、ある場所において通関業の許可を得ても、すでに許可を得た税関の管轄区域と異なる税関の管轄区域で新たな営業所を営もうとする場合は、別途通関業の許可を得なければならなかったが、許可権者が財務大臣に変更されることに伴い改正された。 許可の付与に際して税関は通関業者の実績、または通関業者自身による申請等を勘案して、許可に条件(制限)を付すことがある。その際の条件には以下の2種類がある。 許可の期間制限 取扱う貨物の制限 1.の許可の期間制限については一種の経過措置である。すなわち、全く新規に通関業を開始して、通関業に未熟な状態であったり、経営基盤が強固ではなさそうであるなど、通関業の継続が困難となる可能性が見受けられる場合、または、過去に通関業法および関税法・関税定率法等関税に関する法令に抵触する犯則行為を行い懲罰的行政処分を受けたことがある場合などに付されることがある(通常、期間制限の条件が許可に付されていない場合は原則無期限である。)。 2.の貨物の制限は許可申請者の希望による。この場合においては通関士を設置する必要がなくなる。なお、従前は、通関士設置区域とされた場所以外で業務を行う限定を行う場合も通関士を設置しないことが許されたが、この制度は廃止された。
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