通関手続に関する制度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/03 23:03 UTC 版)
輸出入の迅速化・簡便化などの便宜を図るためにある制度である。 包括事前審査制度(廃止) 輸出者が同一種類の貨物を継続して輸出する計画がある場合、事前に包括的な審査を行うことによって、その後の個々の輸出の際の審査を簡略化できる。サプライチェーン・マネジメントなど、計画的な物流により、コスト削減が実現できる(輸出通関の迅速化を図るため)。特定輸出申告制度の導入により該当者が特定輸出申告制度へ移行するため廃止された。 特例輸入申告制度 貨物のセキュリティ管理と法令遵守(コンプライアンス)の体制が整備されたとして税関長の承認を受けた輸入者については、輸入申告と納税申告を分離し、さきに貨物の引取申告を行い、その後納税申告することができる制度。税関による審査・検査が軽減されるほか、輸入申告官署の自由化を利用した輸入申告が可能。制度の創設時点では「継続的に輸入していると指定を受けた貨物」に限定されていたが、2007年度改正でこの制限は廃止された。 予備審査制 輸入貨物が日本に到着する前に「予備申告書」を税関に提出して、事前に税関の書類審査を受けることができる制度。輸入貨物が保税地域に搬入された後、本申告(輸入申告)の意思表示を行えば直ちに許可される。生鮮食料品やジャスト・イン・タイムで納期の厳しい商品、特定の季節やイベント(クリスマスなど)のための商品など、国内搬入を急ぐ商品によく使われる。(輸入貨物引取りの迅速化を図るため。) 輸出貨物についても同様な制度があったが、2011年度の関税法改正で、輸出貨物を保税地域に搬入することなく輸出申告が可能となったため、廃止された。 貨物到着即時輸入許可制度 輸入の際に予備申告が行われた貨物のうち、国内引取を急ぐ貨物の場合、税関の書類審査の結果「検査不要」とされた貨物については、貨物の到着が確認され次第、本申告(輸入申告)を行えば保税地域に搬入することなく直ちに輸入許可となる制度。(輸入貨物引取りの迅速化を図るため。) 特定輸出者制度 貨物のセキュリティ管理と法令遵守の体制が整備された輸出者については、税関による審査・検査が軽減され、輸出貨物の迅速かつ円滑な船積み(積込み)が可能となるほか、貨物を保税地域に搬入することなく、輸出申告を行い、自社の倉庫等で輸出の許可を受けることや輸出申告官署の自由化を利用した輸出申告が可能となる。
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