通信路容量と球充填
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/06 03:37 UTC 版)
「加算性白色ガウス雑音」の記事における「通信路容量と球充填」の解説
1 {\displaystyle 1} から M {\displaystyle M} の範囲の指数を持つ通信路を介してメッセージを送るとする。この指数は識別が可能なメッセージの数を表している。 M {\displaystyle M} 個のメッセージを n {\displaystyle n} ビットにエンコードすると、レート R {\displaystyle R} は次のように定義される。 R = log M n {\displaystyle R={\frac {\log M}{n}}\,\!} レートは、もし n {\displaystyle n} が無限大に近づくにつれて誤差の最大確率が0になるようなコードの並びが存在すれば、実現できると考えられる。容量 C {\displaystyle C} は実現可能な最大のレートである。雑音レベルが N {\displaystyle N} のAWGNの通信路を通して送信された長さ n {\displaystyle n} の符号を考える。受信したとき、符号ベクトルの分散は N {\displaystyle N} であり、平均は送信された符号である。そのベクトルは送信された符号周りの半径 n ( N + ϵ ) {\displaystyle {\sqrt {n(N+\epsilon )}}} の球に含まれる確率が非常に高い。受信した全てのメッセージをこの球を中心として符号に写像することによりデコードするとき、受信したベクトルが球の外にある場合エラーが発生するが、これはほとんど起こらないことである。 各符号ベクトルは、それに復号される受信符号ベクトルの関連する球を持ち、このような球は符号を一意に写像しなくてはならない。よって、これらの球は交差してはならないため、球充填の問題に差し当たる。いくつの異なる符号が、 n {\displaystyle n} ビットの符号ベクトルに充填できるだろうか?受信されたベクトルは、最大エネルギー n ( P + N ) {\displaystyle n(P+N)} を有する。したがって半径が n ( P + N ) {\displaystyle {\sqrt {n(P+N)}}} の球を占有する必要がある。それぞれの符号の球の半径は n N {\displaystyle {\sqrt {nN}}} である。n次元での球の体積は r n {\displaystyle r^{n}} に正比例するので、送信電力で我々の球に充填することができる、一意に復号可能な球体の最大数Pは ( n ( P + N ) ) n 2 ( n N ) n 2 = 2 n 2 log ( 1 + P / N ) {\displaystyle {\frac {(n(P+N))^{\frac {n}{2}}}{(nN)^{\frac {n}{2}}}}=2^{{\frac {n}{2}}\log(1+P/N)}\,\!} となる。この議論によりレートRは 1 2 log ( 1 + P / N ) {\displaystyle {\frac {1}{2}}\log(1+P/N)} 以下になる。
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