近代日本の陽明学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/03 03:38 UTC 版)
日本における陽明学の全盛期を、明治維新以降とする説もある。即ち、三宅雪嶺が1893年に刊行した著書『王陽明』を嚆矢とする幕末陽明学の再興運動が、欧化政策の反動として高揚した国粋主義や武士道の見直しの動きと結びつき、明治後期から大正時代にかけて頂点を迎えたという見方である。 この時期の主な人物として、上記の三宅雪嶺や井上哲次郎のほか、高瀬武次郎、徳富蘇峰、吉本譲、東敬治、石崎東国らがいる。当時の陽明学は日本国民の精神修養の一環として、死生を逸脱した純粋な心情と行動力とを陶冶する実践倫理として説かれる部分が大きかった。 また、この頃の日本における陽明学の再評価が、梁啓超に代表される清人留学生の目に留まり、中国での陽明学再興に大きな影響を及ぼした。
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