近代中央集権国家の成立
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/12 15:00 UTC 版)
近世以前のヨーロッパでは、長く分権的封建制度が支配的であった。近世ヨーロッパで中央集権国家が現れたのは、王が強大な権力を持って中央集権化を実現した絶対王制の時代である。16世紀から17世紀にかけてイングランドのテューダー朝、フランスのブルボン朝などが中央集権的な体制を築き、強力な官僚機構と常備軍(近衛兵)によって国家統一を成し遂げた。18世紀末、フランス革命において中央集権的な国民国家が成立した。19世紀ヨーロッパでは、フランスに代表される中央集権的な国家と、ドイツのように国民国家成立後も前近代的体制をある程度保存し、分権的体制を維持する国家に分かれた。 当時の名残は現在も残り、フランスが現在でも先進国では最も中央集権的な国家であるのに対し、ドイツは連邦制の地方分権国家である。ただし、上述のように第二次世界大戦後のフランスが地方分権化を進めた一方、第二次世界大戦後のドイツ連邦共和国は過去のドイツ帝国の中央政府より連邦政府の権限がはるかに大きくなっているため、中央集権主義と地方分権主義の折衷が各国で模索されている状況にあるといえる。
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