軍事上のメリットとデメリット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 01:04 UTC 版)
「護送船団」の記事における「軍事上のメリットとデメリット」の解説
近代戦において護送船団を編成する利点としては、以下のようなことが挙げられる。 被発見率の低下。単独船より目標としては大きくなるが、通過回数の減少で総合的には低下する。 護衛兵力の集中。 攻撃機会の減少。船団の隊形によっては、潜水艦に攻撃されやすい側面が短縮できる。 迅速な救助活動。 確実な襲撃報告。単独船では通信する間もなく沈没した場合、敵についての情報が得られない。 定時運航の確保。商船ごとの自由航行に委ねた場合、少しでも危険があると出航しない船が続出する可能性がある。船団として統制し出航を強制した方が、多少の被害が発生しても全体では通商維持に資する。 一方で、不利な点としては以下のようなことが挙げられる。 航行速度の低下。船団中の最低速船にあわせる必要がある。 稼行率の低下。船団参加船の集結を待たねばならず、運航効率が低下する。 荷役効率の低下。一度に多数船が入港するため、港湾能力の限界を超え、貨物の揚陸が遅れる。 一網打尽となる危険。特に情報が敵側に漏れていたりすると大きな被害につながる。 衝突事故の危険。 以上のような得失を比較したうえで、戦況に応じて船団が編成される。規模も状況に応じて変更される。例えば、潜水艦の襲撃の危険がある場合には大規模な船団が組まれることが多い。船団護衛用の小型艦では対抗不可能な強敵(戦艦などの大型水上艦や機動部隊による大規模空襲)の危険が生じた場合には、被害局限のため船団を小規模化したり、PQ17船団の例のように解散して単独航行に切り替える場合もある。場合によっては、たとえ護衛艦を1隻もつけることができなくとも船団方式がとられることがある。
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