超然性・冷静さ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 23:55 UTC 版)
「アーサー・バルフォア」の記事における「超然性・冷静さ」の解説
しばしば超然とした性格を指摘される。チャーチルによれば、チャーチルが若手保守党議員だった頃、アイルランド議員が殴りかからんばかりの勢いでバルフォア首相に迫ってきたことがあり、チャーチルら若手議員はいつでも取り押さえられるよう身構えたが、バルフォアは全く動じず、まるで顕微鏡で虫けらでも見るかのような表情でそのアイルランド議員を見ていたという。チャーチルはバルフォアの動じない勇気を称えつつ、彼が動じないのは冷たい性質のせいだと分析している。 バルフォアが常に冷静な理由について、アスキス夫人マーゴット(英語版)は「問題を真剣には気にかけていないか、事がどっちへ進もうが、それに人類の幸福がかかっているとは信じていないかのどちらかであろう」と主張している。保守党のジョージ・ウィンダム(英語版)も「あまりに学問的な政治観を持ちすぎるための冷淡さが原因だ。彼はかつて氷河時代があったこと、いつか再び氷河時代が来ることを知っているのだ」と語っている。 労働党のラムゼイ・マクドナルドはバルフォアの葬儀で「バルフォアは人生を遠くから見る人だった」と故人を振り返った。チャーチルはこのマクドナルドの弔辞を含蓄ある観察と評価している。チャーチルによれば「マクドナルドは一生を悪戦苦闘したので、寧日などまったくなく、人生をいつも近距離から見るしかなかった。それを思えば彼のこの弔辞は無意識の羨望と同時に自分への誇りが込められていたのだろう」という。 バルフォアが首相に在任していた時代の国王エドワード7世は彼に好意を持たなかったが、前女王ヴィクトリアからは高く評価されていた。女王は「彼は問題のあらゆる側面を見ることができ、他の人々に対する感情において素晴らしく寛大である」と述べている。エドワード7世の次代の国王ジョージ5世も皇太子時代からバルフォアを相談役としたため、彼に全幅の信頼を置いていた。
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