超新星以外の発見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 10:18 UTC 版)
超新星以外にも、彗星や新星等の新天体も数多く発見している。 一度は諦めた彗星捜索も、金田宏の助力を得て2008年から再開し、同年9月10日、わし座とみずがめ座の境界付近で13等級の彗星を発見した。この彗星は、110年以上の間見失われていたジャコビニ彗星 (D/1896 R2) の再発見であることが専門家の指摘により判明した。さらに2009年3月14日には新彗星 (C/2009 E1) をくじら座に発見した。板垣彗星と命名されたこの彗星は、工藤・藤川彗星 (C/2002 X5) 以来約6年ぶりに国内で発見された新彗星となった。 2010年1月5日にりょうけん座のNGC 4214近傍にて超新星の候補天体を発見し、SN 2010Uとして一時は超新星と認められたが、後に超新星ではなく、高光度青色変光星が爆発的な増光現象を起こした擬似的超新星であることが判明した。2010年5月31日に発見し、一時は超新星と認められたSN 2010dnも、後にSN 2010Uと同種の現象であることが判明した。 2015年には国立天文台の田実晃人、大阪教育大学、名古屋大学、京都産業大学などの研究チームにより、2013年に発見したいるか座新星がリチウムを大量に生成していることが確認された。リチウムはビッグバン時に生成されるとともに、恒星のなかや新星、超新星、星間空間などさまざまな場所でつくられると推定されており、新星爆発はその有力候補の1つとして挙げられていたが、今までその証拠がなかった。今回の観測によって強固な裏付けが得られ、ビッグバンから現在に至る物質進化モデルが大枠で正しいことが示されることとなった。
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