質量測定の不確実性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/17 08:02 UTC 版)
「質量の大きい恒星の一覧」の記事における「質量測定の不確実性」の解説
実際には、大質量の恒星の多くは地球から見て数千光年以上も遠くにあり、連星系の場合、精密な観測によっても誤差を取り除く事ができず、決定的な数値が得られない。また、星団に所属している場合が多く、大量の星間物質や、恒星自身が放出したガスがあるため光がさえぎられてしまい、更に観測が難しくなる。このような観測の邪魔になる物質は、時として恒星が単独であるのか、連星であるのか分からなくする事もある。例えば最も明るい恒星であるLBV 1806-20は、初めは質量が130太陽質量以上の単独の恒星であると考えられていたが、現在では質量が互いに65太陽質量の恒星の連星系であると推定されている。 単独星では、そうした星間物質やガスにより、更に測定の精度が落ちる。表面温度と絶対光度のどちらか、あるいは両方が不確実であれば、数値に幅が生じる。例えば、質量が最も重いと推定される恒星R136a1の質量は、現在では太陽質量の265倍という数値が広く受け容れられているが、推定の最大値は345倍、同じく最小値は230倍とされるなど幅がある。また、ケフェウス座VV星は、質量が太陽の100倍とする意見もあれば、25倍から40倍程度とする説もある。ピストル星は、自らが放出したガスであるピストル星雲や、その周辺にある暗黒星雲に覆われており、その絶対光度はまだよく分かっていない。
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