質量階層
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/18 14:57 UTC 版)
世代が高い粒子は、それより前の世代の対応する粒子よりも大きな質量を持つ。例えば、第一世代の電子は0.511 MeV/c2の質量しか持たないが、第二世代のミュー粒子は106 MeV/c2の質量を持ち、第三世代のタウ粒子は1777 MeV/c2(陽子のほぼ二倍)の質量を持つ。この質量階層は、高い世代の粒子が第一世代の粒子に崩壊する原因となり、このことは通常の物質(原子)が第一世代の粒子だけで構成されている理由を説明する。第一世代のレプトンである電子は、第一世代のクォークであるアップおよびダウンクォークから成る陽子および中性子で構成される原子核を周回している。荷電粒子の第二および第三世代は、通常の物質中には現れない。これは宇宙線や粒子加速器のような極限的な高エネルギー環境においてのみ見られる。 全ての世代のニュートリノは宇宙を広く飛び交っているが、通常の物質とはめったに相互作用しない。レプトンの世代間の関係を包括的に理解することによって、基本粒子の質量の比や質量の一般的な性質に対する量子力学的な解明につながることが期待されている。
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