谷山・志村予想の内容
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/23 20:26 UTC 版)
「谷山–志村予想」の記事における「谷山・志村予想の内容」の解説
谷山・志村予想とは、任意の Q 上の楕円曲線は、ある整数 N に対する古典的モジュラー曲線(英語版)(classical modular curve) X 0 ( N ) {\displaystyle X_{0}(N)\ } からの整数係数を持つ有理写像(英語版)(rational map)を通して得ることができる。この曲線には明示的に定義が与えられ、整数係数を持つ。Level N のモジュラのパラメタ表示と呼ばれる。N がそのようなパラメタ表示の中で最小の整数(モジュラリティ定理自体により、導手という数値として知られる)であれば、このパラメタ表示は、Weight 2 とLevel N の特殊なモジュラ形式、すなわち、(必要であれば同種に従い)正規化された 整数のq-展開をもつ新形式(英語版)(newform)の生成する写像として、定義される。 モジュラリティ定理は、次の解析的なステートメントと密接に関連する。Q 上の楕円曲線 E に楕円曲線のL-函数を対応させる。このL-函数は、ディリクレ級数であり、 L ( s , E ) = ∑ n = 1 ∞ a n n s {\displaystyle L(s,E)=\sum _{n=1}^{\infty }{\frac {a_{n}}{n^{s}}}} と表すことができる。 従って、係数 a n {\displaystyle a_{n}} の母函数は、 f ( q , E ) = ∑ n = 1 ∞ a n q n {\displaystyle f(q,E)=\sum _{n=1}^{\infty }a_{n}q^{n}} である。 q = e 2 π i τ {\displaystyle q=e^{2\pi i\tau }\ } を代入すると、複素変数 τ の函数 f ( τ , E ) {\displaystyle f(\tau ,E)} のフーリエ展開の形に書くことができ、従って、q-展開の係数は f {\displaystyle f} のフーリエと考えることができる。この方法で得られた函数は、注目すべきことに、ウェイト 2 でレベル N のカスプ形式であり、(モジュラ形式でもあるので)ヘッケ作用素の固有ベクトルとなっている。これがハッセ・ヴェイユ予想(Hasse–Weil conjecture)であり、モジュラリティ定理より従うこととなる。 逆に、ウェイト 2 のモジュラ形式は、楕円曲線の正則微分(英語版)(holomorphic differential)に対応する。モジュラ曲線のヤコビ多様体は、同種を同一視すると、ウェイト 2 のヘッケ固有形式に対応する既約アーベル多様体の積として書くことができる。1-次元要素は楕円曲線である。(高次元要素も存在し、すべてではないが、ヘッケ固有形式が有理楕円曲線へ対応する。)曲線は、対応するカスプ形式より得られるので、この方法で構成された曲線は、元々の曲線と同種である(一般には同型にはならない)。
※この「谷山・志村予想の内容」の解説は、「谷山–志村予想」の解説の一部です。
「谷山・志村予想の内容」を含む「谷山–志村予想」の記事については、「谷山–志村予想」の概要を参照ください。
谷山志村予想(モジュラリティ定理)の内容
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/04/27 02:48 UTC 版)
「谷山志村予想」の記事における「谷山志村予想(モジュラリティ定理)の内容」の解説
谷山志村予想(モジュラリティ定理)とは、任意の Q 上の楕円曲線は、ある整数 N に対する古典的モジュラー曲線(英語版)(classical modular curve) からの整数係数を持つ有理写像(英語版)(rational map)を通して得ることができる。この曲線は整数係数を持ち、明確に表すことができる。レベル N のモジュラパラメータと呼ばれる。N がそのようなパラメータの中の最小の整数(モジュラリティ定理自体により、導手として呼んでいる数値であることが知られている)であれば、ウェイト 2 とレベル N の特別な場合のモジュラ形式で、楕円曲線の同種に従い正規化された q-展開をもつ新形式(英語版)(newform)の生成する写像として、この写像が定義される。 モジュラリティ定理は、次の解析的なステートメントと密接に関連する。Q 上の楕円曲線 E に楕円曲線のL-函数を対応させる。このL-函数は、ディリクレ級数であり、 と表すことができる。 従って、係数 の母函数は、 を代入すると、複素変数 τ の函数 のフーリエ展開の形に書くことができ、従って、q-展開の係数は のフーリエと考えることができる。この方法で得られた函数は、注目すべきことに、ウェイト 2 でレベル N のカスプ形式であり、(モジュラ形式でもあるので)ヘッケ作用素の固有ベクトルとなっている。これがハッセ・ヴェイユ予想(Hasse–Weil conjecture)であり、モジュラリティ定理より従うこととなる。 逆に、ウェイト 2 のモジュラ形式は、楕円曲線の正則微分(英語版)(holomorphic differential)に対応する。モジュラ曲線のヤコビ多様体は、同種を同一視すると、ウェイト 2 のヘッケ固有形式に対応する既約アーベル多様体の積として書くことができる。1-次元要素は楕円曲線である。(高次元要素も存在し、すべてではないが、ヘッケ固有形式が有理楕円曲線へ対応する。)曲線は、対応するカスプ形式より得られるので、この方法で構成された曲線は、元々の曲線と同種である(一般には同型にはならない)。
※この「谷山志村予想(モジュラリティ定理)の内容」の解説は、「谷山志村予想」の解説の一部です。
「谷山志村予想(モジュラリティ定理)の内容」を含む「谷山志村予想」の記事については、「谷山志村予想」の概要を参照ください。
- 谷山・志村予想の内容のページへのリンク