q-展開
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/18 10:17 UTC 版)
モジュラー形式の q-展開 (q-expansion) はカスプにおけるローラン級数、あるいは同じことだが(ノーム(nome)の平方)q = exp(2πiz) のローラン級数として表されるフーリエ級数である。実際、複素函数 "exp" はガウス平面上では消えないので q ≠ 0 だが、実軸の負の部分に沿って w → −∞ とした極限で exp(w) → 0 なので、2πiz → −∞ すなわち虚軸の正の部分に沿って z → i ∞ とした極限で q → 0 である。したがって、q-展開はカスプにおけるローラン級数になっている。 「カスプにおいて有理型」というは、負冪の項の係数のうち 0 でないものが有限個しかないという意味であり、したがって q-展開 f ( z ) = ∑ n = − m ∞ c n exp ( 2 π i n z ) = ∑ n = − m ∞ c n q n . {\displaystyle f(z)=\sum _{n=-m}^{\infty }c_{n}\exp(2\pi inz)=\sum _{n=-m}^{\infty }c_{n}q^{n}.} は下に有界かつ q = 0 において有理型である。ここに、係数 cn は f のフーリエ係数であり、整数 m は f の i ∞ における極の位数である。
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