警察批判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 06:39 UTC 版)
腐ったリンゴのメタファーは、警察官が不祥事の疑いにより批判された際に、警察組織を擁護するために、警察擁護派の政治家、自治体、あるいは警察自身によって用いられてきた。メタファーは、批判された少数の警官が残りの警官の業績や行動へ反映しないことを表している。 警察擁護派の警官によるメタファーの使用は、ロドニー・キング事件の後に初めて記録され、次いでマイケル・ブラウン、アルトン・スターリング(英語版)、フィランド・キャスティル(英語版)、ブリオナ・テイラーへの銃撃事件、そしてジョージ・フロイド事件で用いられた。ドナルド・トランプは2020年6月のダラスでの演説で、警官の擁護に腐ったリンゴのメタファーを使用し、あらゆる組織に腐ったリンゴは存在しており、市民を守るための警察は必要であると主張した。2020年9月29日に行われたアメリカ合衆国大統領選挙討論会では、司法制度における人種間の不平等について問われた際、ジョー・バイデンは、腐ったリンゴのメタファーを用いつつ、警察官の大多数は「善良で、礼儀正しい、立派な人間」であると主張し、警察を擁護した。 警察に批判的な人は、警察自体が根本的な欠陥を持つ、人種差別的体制であると異議を唱え、このメタファーを否定している。また、黒人が白人に比べ、不釣り合いに警察の標的となっていることや、警察の起源が奴隷パトロール(英語版)にあることを引き合いに出して、欠陥は修繕不可能であるとし、現状の警察組織の改革に効果は無く、警察自体を廃止すべきであると主張している。ラショーン・レイ(英語版)といった批評家は、腐ったリンゴのメタファーへの通俗的な反論 (カウンターメタファー) として「警察官を暗喩するリンゴは、その木の根から腐っており、植え替えなければならない」と、腐ったリンゴのメタファーを使用している。 アナキスト作家のクリスチャン・ウイリアムズは、著書「Our Enemies in Blue: Police and Power in America」の中で、腐ったリンゴの議論は、警察組織が批判や改革を避けるために、少数の警察官に責任を押し付ける手段であると主張した。
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