調和振動ポテンシャルと実際の分子のポテンシャル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 04:39 UTC 版)
「振動準位」の記事における「調和振動ポテンシャルと実際の分子のポテンシャル」の解説
調和振動ポテンシャルは低いエネルギー(小さい量子数)の準位においてはよい近似ではある。しかし、実際の分子のポテンシャルは、原子間距離が小さくなる方向には原子間の排斥力により2乗の関数よりもさらに急激に上昇し、原子間距離が大きくなる方向では、緩やかであり、無限遠の極限においてはお互いに力を及ぼしあわなくなる。 以上のような違いから、実際の振動準位は、量子数が増えるにつれて準位間隔が狭くなっていき、遠距離の極限以上のエネルギー以上では量子化されない連続なエネルギー帯となっている。また、実際には振動量子数の変位 Δ v = ± 2 {\displaystyle \Delta v=\pm 2} となる遷移も起こりうる。 これらの性質を非調和性と呼ぶ。 調和振動子よりも実際の分子のポテンシャルをモデル的に表すポテンシャルとしては、モースポテンシャルがよく知られる。
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