誘導体・関連物質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/05/30 14:56 UTC 版)
ジフェニルエーテルとの混合物は、高沸点溶媒として用いられるダウサムAおよびサーミノールVP1。 2つのベンゼン環の、それぞれ4位の水素がアミノ基に置換された化合物がベンジジンで、かつては顔料の製造原料などとして用いられた。しかし、発癌性が明らかになったため製造が禁止されている。 ベンゼン環の複数の水素が塩素に置き換わったものがポリ塩化ビフェニル (Polychlorinated Biphenyl、PCB) で、かつては絶縁体として多量に生産されたが、毒性が強く1974年に製造が禁止になった。ちなみに、水素が塩素ではなく臭素に置換された同様の化合物はポリ臭化ビフェニル(polybrominated biphenyl)と呼ばれ、こちらも毒性も持つことが判明している。 ベンゼン環の一方が水素化によりシクロヘキサン環となったものはシクロヘキシルベンゼンで、そのフッ化物はリチウムイオン二次電池の過充電防止剤として利用される。 ビフェニルのベンゼン環同士をつないでいる単結合をしている2つの炭素から見て、隣の炭素に直接結合する計4つの水素(オルト位の水素)のうちの1つが水酸基に置換された化合物は、オルトフェニルフェノールなどと呼ばれる。オルトフェニルフェノールも、ビフェニルと同様に殺菌剤や防カビ剤などとして用いられる。 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の中には、ビフェニルを部分構造として持つ物が幾つか存在する。例えば、フェルビナク、フルルビプロフェン、フェンブフェンなどが挙げられる。
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