試作・評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/30 04:27 UTC 版)
「ネイピア ノーマッド」の記事における「試作・評価」の解説
1948年にノーマッド1型の軸流圧縮機とタービン周りのシステムの試験が行われ、1949年10月には組み立てられたエンジンの運転が行われた。そして飛行試験のためノーマッド1型を機首前方に特設した爆撃機リンカーンの初飛行は1950年になされた。計1,000時間の飛行試験が行われたが、ノーマッドは非常に気性が荒く制御の難しいエンジンであった。正常に運転できた場合の主要性能値は、軸出力3,000 hp、排気推力1.4 kN、燃費0.164 kg/(hp·h)であった。これは悪くない数値ではあるが、投入された新機軸やエンジンサイズの割には期待はずれものと言わざるを得なかった。 一方、ノーマッド1型の試験が行われている間に改良型のノーマッド2型の設計が既に完了していた。ノーマッド2型は哨戒機シャクルトンに搭載されて試験が行われた。燃費は0.157 kg/(hp·h)まで改善されその他各性能も向上していることが確かめられたが、1型と同様に大きさに比して出力が低い上に扱いにくいエンジンであることには変わりなく、1954年には空軍の関心が失われ、翌年の1955年4月に開発は中止となってしまった。また、既にターボジェットエンジンや純粋なガスタービン駆動のターボプロップが実用化されていたことも決め手となった。
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