試作機の事故
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 21:38 UTC 版)
「MH2000 (航空機)」の記事における「試作機の事故」の解説
2000年(平成12年)11月27日、試作初号機(製造1001/登録JQ6003)が三菱社員による試験飛行中、試験飛行空域付近でテールローターのブレードが飛散して操縦が困難となり、14時40分ごろ三重県鈴鹿市柳町の水田に不時着しようとして墜落した。機長1名が死亡し5名が重傷、機体は大破したため廃棄となった。飛行試験中の事故死は日本では戦後初めて。 原因は、同機が試験飛行中にNo.10テールローターのブレード・ストラップが疲労により破断したことを発端として、10枚のブレードからなるテールローター部の主要な部分を失い、テールローターによるヨー・コントロール機能を喪失して操縦が困難となり、制御できない急激な右旋転に陥ったことによるものと推定される。No.10テール・ローター・ブレード・ストラップが疲労により破断したことについては、複合材製のブレードの開発に際して、限界使用時間を設定する際の荷重や温度環境の条件選定が適切でなかったため、疲労が予想よりも早く進展したこと、並びに同機は試験専用機であって量産機よりも過酷な使用条件であったが、テール・ローター・ブレードに対する点検項目の設定及び点検の間隔が適切でなかったこと等のため、疲労の進展に気付かないまま使用されたことが関与したものと推定される。 テールローターの設計変更、エンジン転装、機体強度の改善と言った手直しを加え、2002年(平成14年)10月に型式設計変更の承認を得た。
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