言語地理学との区別
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/01 09:25 UTC 版)
「比較方言学」を提唱したのは北条忠雄で、万葉集東あずま歌・防人さきもり歌に伝えられている奈良時代東国方言を、当時の中央語と比較した。金田一春彦は、更に進めて、言語地理学と対比する形で比較方言学の性質を明らかにした。二つの分野には次のような相異点があげられる。 言語地理学は、言語外の情報(地域の文化的中心地、交通路その他)を考慮するが、比較方言学では、言語体系そのものに着眼して、どのような祖形から別れ出たかを考える。 言語地理学では語彙に関心を注ぐが、比較方言学では、音韻やアクセント等の言語の「根幹的部分」に着目する。 言語地理学では、方言差の説明に、文化的中心地からの伝播、つまりは他体系からの借用を考えるが、比較方言学では、音韻の規則的変化を第一の前提とし、それをくずすものとしての文法的類推を考え、それで説明がつかない場合に借用を想定する。
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