角膜移植の治療
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 17:13 UTC 版)
2018年12月26日、大阪大学の審査委員会は損傷した角膜を再生する臨床研究を大筋で認めたと発表。2019年5月にも1例目の移植を行い、2024年度の実用化・保険収載化を目指すとしている。計画ではiPS細胞を角膜の細胞に育ててシート状に加工した上で患者に移植し、1年間安全性を調べる。角膜が透明になり、視力が回復すると期待する。順調に進めば企業主導の臨床試験(治験)に移行する予定。2019年1月16日、大阪大学は臨床研究計画を国に申請した。 2019年8月29日、大阪大学は角膜の最も外側の上皮という部分に障害が生じて角膜が濁る「角膜上皮幹細胞疲弊症」の40代の女性に対し、iPS細胞から作成した角膜シートの移植手術を7月に実施したと発表。女性は両目が失明状態であったが術後、本や新聞が読める程度まで視力が回復している。 2022年4月4日、大阪大学は「膜上皮幹細胞疲弊症」の患者4人に対してiPS細胞から作成した角膜シートを移植する臨床研究の経過を報告し、移植後1年で有害事象は認めなかったと報告した。症状の改善について4人は角膜の濁りなどが改善。うち3人はめがねやコンタクトレンズで矯正した視力が手術前の0・15以下から、移植から1年後には最高で0.7まで回復した。
※この「角膜移植の治療」の解説は、「人工多能性幹細胞」の解説の一部です。
「角膜移植の治療」を含む「人工多能性幹細胞」の記事については、「人工多能性幹細胞」の概要を参照ください。
- 角膜移植の治療のページへのリンク