要求工学環境
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/28 03:57 UTC 版)
「ソフトウェアプロトタイピング」の記事における「要求工学環境」の解説
要求工学環境(Requirements Engineering Environment、REE)は、1985年からローム研究所が開発しており、複雑なシステムの重要な部分のモデルを迅速に実装し動作させるためのツール群を提供する 要求工学環境は、アメリカ空軍がシステム開発に使用している。 ツール群によって迅速にユーザインタフェースやシステムコンポーネントのプロトタイプが構築できる。モデリングによって複雑なシステムへの理解が深まり、不完全な要求仕様がシステム開発工程の期間や費用に与える影響を明らかにする。モデル構築は容易であり、必要に応じて様々な抽象度や粒度で構築できる。 要求工学環境は3つの部分からなる。第1は Proto と呼ばれるラピッドプロトタイピングのためのCASEツールである。第2は Rapid Interface Prototyping System(RIP)と呼ばれ、ユーザインタフェース構築のためのツール群である。3番目は Proto と RIP にアクセスするためのグラフィカルなユーザインタフェースである。 ローム研究所は、内部の要求分析手法のために要求工学環境を開発した。手法は3つの部分からなる: (第1に)各種情報源からの情報収集、仕様記述、一貫性のチェック、(第2に)様々なユーザーのニーズを分析し、矛盾せず、技術的にも経済的にも実現可能なものを選別し、(第3に)そのようにして選別された要求仕様がユーザーのニーズを正しく反映しているかを検証する。 1996年、ローム研究所は REE の商用化を目指して Software Productivity Solutions (SPS) と契約した。この商用版REEを Advanced Requirements Engineering Workstation(AREW)と名づけている。
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