要求仕様と設計
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/21 20:53 UTC 版)
この市場での競争相手は Librascope LGP-30 と Bendix G-15 で、いずれも磁気ドラムメモリマシンだった。当時IBMの最も小型のマシンは IBM 650 で、固定ワード長の十進マシンで、やはり磁気ドラムメモリを採用していた。これらはいずれも真空管を使っている。IBMはこの領域では何ら新しいことを提供できないと結論付けられた。競争を有利に運ぶにはIBMが大型コンピュータの領域で開発した技術を利用する必要があったが、同時に価格を抑える必要があった。 この目標に対して、チームは以下の要求事項を定義した: 磁気コアメモリを使用する。 命令セットを限定する。除算や浮動小数点演算は用意せず、サブルーチンを使用する。 可能な限りハードウェアを論理的機能で置き換える。演算回路を持たず、コアメモリ上にテーブルを用意する。 高価な入出力部は必要最小限とする。パンチカードではなく紙テープを基本とする。 プリンタは使わず、コンソールのタイプライタを使用する。 内部コードネームは CADETとされた。"Computer with ADvanced Economic Technology"(先進の経済的技術によるコンピュータ)の略であるという者もいるが、同時期に開発された IBM 1401 のコードネームが SPACE であったことから Space Cadet(宇宙飛行訓練生)の連想ではないかという者もいる。
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