システムコンポーネント
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/11 10:14 UTC 版)
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システムコンポーネント
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 06:46 UTC 版)
「コンポーネントステレオ」の記事における「システムコンポーネント」の解説
システムコンポーネントは、メーカー側で、あらかじめ組み合わせでうまく動作するよう設計されたコンポーネント群で、ワンセットで販売されたコンポーネント群である。「シスコン」と略される。 システムコンポーネントには、コネクタや回路の相性の問題を解消できるというメリットだけでなく、外観デザインにも統一性を持たせることができる、という大きなメリットもあった。部屋に置いた時に、統一感があるかないか、ゴチャゴチャした印象をあたえるどうか、ということはとても重要なことである。 メーカー側としては、シスコンを用意した主たる狙いは、(「賭け」になってしまうような)ユーザ側にとって理不尽な状況をとりのぞくことで、購入者が安心して購入でき、市場のすそ野を広げることが主な目的であるので、比較的低価格な価格設定にもなっていて、人々から大歓迎された。 ユーザー側は、まずシスコンを購入することで、ともかくまともに作動し音楽を聞けるセットを入手することができた。メーカーは最初に設置する時のための(コンポーネントをまたいだ、全体として統一的な)「設置ガイド」の類も用意でき、具体的にどのコンポーネントのどのコネクタからどのケーブルでつなげばいいのかも、具体的な図入りで、統一的に、詳細に掲載することができた。その組み合わせの時にぴったりの長さのケーブルも用意できた。設置ガイド通りにケーブルをつないでゆけば音が出るので、各街のメーカー系列の電気店(メーカー傘下の小さな個人経営の電気店。たとえば当時の「ナショナルショップ」、他にも日立系列、東芝系列等々の小売店など)でも、店主が(たとえオーディオに詳しくなくても)その設置ガイドを読みつつ設置すればよいので、街の電気店の商品として売ることができた。かなりの価格になるものなので、メーカーにとっても、またそうした小さな電気店にとっても、売上・収益に貢献するとても良い商材となった。 オーディオのことやエレクトロニクスのことはさっぱり分からない人でも購入できるようになった。購入したい人は、自分の街の、メーカー系列の電気店に頼めば、商品を持ってきて店主が設置してくれて実際に音が出るようになるところまで責任を持ってくれた。もし万一 設置時に最初から一度も音が出ない事態になった場合でも、購入者は悪くない、という事実は明らかなので、電気屋の店主に音がでるまで何度か努力させるか、それでも駄目なら、そんな役立たずな製品は突き返して金を払わなければよかった(電気店の店主ですら鳴らせられないような代物の責任を、購入者がとる必要はないからである。)音が鳴らない場合の責任の所在がどこにあるかはっきりするようになり、泣き寝入りする必要がなくなり、確実に音が鳴るセットを入手できるようになったので、購入者側は高額商品にもかかわらず、かなり安心して購入できるようになった。 ユーザは、一旦シスコンを購入したら、そのままずっと使い続けてもよかったし、あとは各人の好みやこだわりや必要性に応じて、各コンポーネントをグレードアップしたり追加してもよかった。たとえばスピーカーユニットだけをさらに高性能のものに変更したり、レコードのターンテーブル(プレーヤー)だけを変更したり、あるいはその時代時代で登場する新たなタイプのプレーヤー(たとえばCDプレーヤー、MDプレーヤーなど)を追加することもできた。
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