複統合的かつ抱合的な言語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/14 02:05 UTC 版)
シベリア北東部で話される古アジア諸語のひとつ、チュクチ語:これは複統合的、抱合的であるとともに、膠着語的性格ももつ。Təmeyŋəlevtpəγtərkən. t-ə-meyŋ-ə-levt-pəγt-ə-rkən 1人称単数主語-大きな-頭-痛み-1人称現在 「私はひどい頭痛がする」 これは形態素:単語比が5:1で、3個の語彙的形態素(meyŋ「大きな」、levt「頭」、pəγt「痛み」)を含む。 また、"t-ə-pela-rkən qora-nə"という句は「私はトナカイを置いていく」を意味し、2単語(1人称単数現在の動詞と名詞)からなる。ところが同じことが1単語"t-ə-qora-pela-rkən"でも表現できる。ここでは語根"qora"「トナカイ」が動詞の中に抱合されている。 イロコイ諸語のモホーク語では次のような抱合を盛んに用いる:"watia'tawi'tsherí:io"「これはよいシャツだ」。ここでは名詞語根atia'tawi(上着)が動詞の内部に入れられている。 アルゴンキン語族のシャイアン語も名詞の抱合を普通に用いる:"nátahpe'emaheona"「私は大きな家を持っている」。ここには名詞形態素"maheo"「家」を含む。
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