複素関数を用いた導出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/10 05:03 UTC 版)
「クラマース・クローニッヒの関係式」の記事における「複素関数を用いた導出」の解説
またH(ω) を複素平面に解析接続した複素関数H(z) が、実軸より上側で正則かつ|z|→∞ で一様にH(z)→0 であるときにはH(ω) がクラマース・クローニッヒの関係式を満たすことを示すことができる。 H(z)/(z-ω) を複素平面上で、以下の4つの区間からなる閉曲線上で複素積分する。 実軸上の(-R, 0)→(ω - r, 0) (ω, 0)を中心とする半径r の半円(ω - r, 0)→(ω + r, 0) 実軸上の(ω + r,0)→(R, 0) 原点を中心とする半径Rの半円(R, 0)→(-R, 0) 実軸より上側で正則であるという条件から、コーシーの積分定理によりこの閉曲線上の積分は0になる。ここでR→∞、r→0の極限をとると区間4の積分は|z|→∞で一様にH(z)→0の条件より0となる。区間2の積分はr→0で-iπH(ω)となる。したがって区間1と3の積分の和はR→∞、r→0の極限で lim R → ∞ , r → 0 { ∫ − R ω − r H ( z ) z − ω d z + ∫ ω + r R H ( z ) z − ω d z } = P ∫ − ∞ ∞ H ( z ) z − ω d z = i π H ( ω ) {\displaystyle \lim _{R\to \infty ,r\to 0}\left\{\int _{-R}^{\omega -r}{\frac {H(z)}{z-\omega }}\,dz+\int _{\omega +r}^{R}{\frac {H(z)}{z-\omega }}\,dz\right\}={\mathcal {P}}\int _{-\infty }^{\infty }{\frac {H(z)}{z-\omega }}\,dz=i\pi H(\omega )} この式の実部と虚部を比較することでクラマース・クローニッヒの関係式が導出される。
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