複数国間条約
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/06/07 13:34 UTC 版)
複数国間条約(英:plurilateral treaty)は、特殊な形の多国間条約である。複数国間条約は条約の目的において特定の利害関係をもった、限られた国々の間での条約である。複数国間条約とその他の多国間条約との第一の違いは、複数国間条約のもとでは留保の有効性はより制限されるということである。複数国間条約の制限された性質のため、条約の目的を満たすためには条約の当事国の全面協力が必要とされる。その結果、複数国間条約に対する留保は、条約の全当事国の同意無しでは許可されない。この原則は以下の条約法に関するウィーン条約第20条(2)において国際法として成文化されている。 すべての当事国の間で条約を全体として適用することが条約に拘束されることについての各当事国の同意の不可欠の条件であることが、交渉国数が限定されていること並びに条約の趣旨及び目的から明らかである場合には、留保については、すべての当事国による受諾を要する。 — 条約法に関するウィーン条約 第20条(2) 複数国間条約の一例は、1959年12月1日に署名された南極条約である。 世界貿易機関(WTO)の世界貿易機関を設立するマラケシュ協定(WTO設立協定)を構成する条約のうち、附属書4に含まれる民間航空機貿易に関する協定や政府調達に関する協定等の協定は、一括受諾の対象にはなっておらず、各条約を締約した国のみに効力を有する(他の付属書の条約は一括受諾の対象となっており、すべてのWTO加盟国(WTO設立協定の締約国)に対して効力を有する)。これらの条約はWTO設立協定内では複数国間貿易協定(plurilateral trade agreements)と呼ばれており、一般には、複数国間条約、複数国間協定、プルリ協定(英:plurilateral agreement)と呼ばれることがある。
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