製法の展開
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 04:43 UTC 版)
明治までは伝統的な穀類焼酎と同様、黄麹菌によって米の麹を作り蒸したサツマイモと水をまとめて加えて発酵させる、どんぶり仕込みと呼ばれる方法が使われていた。しかしサツマイモは米や麦と異なり、蒸して粉砕すると水を吸って醪がドロドロになって流動性が失われる上に糖分が一度に供給されてしまう。さらに黄麹菌ではクエン酸が生成されないこともあり、どんぶり仕込みでは酵母が増殖せずアルコール発酵が完了する前に腐造することが多く、品質の向上は難しかった。 明治後半になると日本酒のような段仕込みが試されたが、米焼酎と異なり芋焼酎では腐造の抑制などの効果はみられなかった。そこから試行を重ね、最初に米麹と水だけで1次醪を作ることで酵母の増殖を容易にし、その後に水と蒸したサツマイモを加えて2次醪とし、安定した発酵を行う二次仕込み法が開発された。大正に入ると泡盛製造に使われていた黒麹菌が導入され、クエン酸の生成によって腐造が抑制されるようになった。
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