補助GPSの概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/18 14:54 UTC 版)
補助GPSでは、携帯電話ネットワークやインターネットなど、衛星からの受信に比べ充分に高速な地上系の通信手段を用いて、これらの衛星の軌道情報や補正情報を受信機に提供する。衛星のID(SVN; 宇宙機番号)何番の衛星の軌道情報(いつの時点でどこを飛んでいるか)という、比較的大きな情報を高速に取得できれば、衛星からは衛星IDと時刻情報など小さなデータだけを受信すればよい。受信機は、衛星から受信した時刻情報の到着時間差をもとに位置を計算する作業に即座にとりかかることができるため、最初の測位までに要する時間を大幅に短縮することができる。 また、携帯電話やWi-Fiのネットワークでは、基地局の設置されている位置の情報や、複数の基地局の電波の受信強度の差などの情報から、おなじく三角測量法によって端末のおおまかな位置を割り出すことが可能である。GPSのみでは電波の受信状態の変動によって測位結果が大きく変動することがあるが、比較的ブレの少ない LPS (LTE Positioning System) や WPS (Wi-Fi Positioning System) といわれるこれら地上系の測位技術を併用することで、現在位置の確定までにかかる時間を短縮することができる。多くの携帯電話は、これらの位置特定システムを補助GPSと組み合わせて用いている。 GPS衛星の数はおよそ30であるが、これらの手段では、算出したおおまかな位置情報をもとに、その時その場所で受信できるGPS衛星の情報のみが選択的に提供される。
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