術中病理診断
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 09:59 UTC 版)
「術中迅速病理診断」も参照 迅速病理診断とも呼ばれる。手術中に病名(特に腫瘍の組織型)の診断が必要になった場合や、進行具合の検査が必要な場合には、手術中に組織を採取して病理部門にて検査を行い、腫瘍の切除範囲は十分であるか、腫瘍の性質は良性悪性どちらであるか等の術式決定に関わる情報を提示する。細胞診を除く多くの病理検査は、検体の蛋白質をホルマリンで固定した後に組織の水分をパラフィンに置き換えたもの(=パラフィンブロック)を造って薄切・染色するという工程をとるので、どうしてもある程度の時間が必要であるが、それでは手術が終わるのに間に合わないので、代わりに検体を液体窒素などで凍結させたものを薄切することによって、標本を作成する。この方法だと短時間で必要な情報が得られはするものの、凍結時に細胞が破壊される等の理由により、顕微鏡標本の出来はどうしてもパラフィン包埋したものより劣るので、通常の組織診断がこの方法に取って代わられることはない。
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