蛇女房
『小栗(をぐり)』(説経) 小栗は、18歳の2月から21歳の秋までに72人の妻を迎えたが、どれも気に入らず、追い返した。やがて彼は鞍馬で16~17歳の美女を見出して契る。しかしその正体は、みぞろが池に棲む大蛇だったので、父大納言兼家は怒り、小栗を常陸へ追放する。
『田村の草子』(御伽草子) 藤原俊祐は16歳の時から50歳になるまでに、464人の妻を取り替えたが、1人も心にかなわない。ある秋、俊祐は嵯峨野で出会った美女に心ひかれ、契りを交わす。女が子を産む時、俊祐は、禁ぜられていたのぞき見をする。産屋の中では、大蛇が美童(=後の俊仁将軍)を2つの角の間に乗せ、いつくしんでいた。女は「自分は益田が池の大蛇である」と告げて、去った。
『蛇の玉』(昔話) 三井寺辺に住む男が、茶店で見た美女を妻とする。身ごもった妻が「産室を見るな」と禁じたにもかかわらず、男がのぞき見ると、妻は蛇の姿になって子を産んでいた。生まれた子は人間の姿をしていた。正体を知られた妻は去った→〔目〕3b。
『白蛇伝』(藪下泰司) 青年・許仙(シュウセン)と白蛇の精・白娘(パイニャン)が恋に落ちる(*→〔蛇息子〕4)。高僧・法海(ホッカイ)は、「蛇と契っては許仙の身が危ない」と考え、白娘と術くらべをして打ち負かし、追い払う。許仙は白娘を追って崖から落ち、死んでしまう。白娘は、永遠の命を持つ蛇精の身を棄てることと引き換えに、竜王から命の花をもらって、許仙を生き返らせる。法海は、人間の女になった白娘と許仙の恋を認めて祝福し、2人は小舟に乗って幸せの国へ旅立つ。
『歴史』(ヘロドトス)巻4-9 ヘラクレスは、スキュティアで上半身が女・下半身が蛇の怪物と交わり、3人の子をもうけた→〔三人兄弟〕1。
『今昔物語集』巻29-40 僧が昼寝して、美女と交わるとの夢を見る。目覚めて傍らを見ると、5尺ほどの蛇が口をあけて死んでいた→〔精液〕2。
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