荷役の流れ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 14:16 UTC 版)
以下は一般的な荷役を時系列に並べたものであるが、港によって多少異なる。 コンテナターミナルに搬入されたコンテナは、大きさ、種別、向け地別に大まかに分類され、仮置きされる。 船積みするコンテナごとの種類・向け地・重量などのデータを細かく計算し、本船への積付けプランを作成する。この重要な作業を行う者をプランナーと呼ぶ。 積付けが決まったら、電話やFAX又は本船が他港に停泊中であればその港の荷役会社(ステベ)を通して一等航海士と事前に打ち合わせをし、変更点があれば修正する。これはコンテナ船のスケジュールが分刻みで定められており、荷役当日のトラブルを極力回避するためである。またコンテナヤードではスムーズに船積みできるよう、積みつけプランに基づき仮置きされたコンテナの配置替えを行う。 本船が着岸すると作業員は速やかに乗り込み、当該箇所のコンテナ固定器具を解除して船卸しの用意に取りかかる。同時に荷役責任者は一等航海士とプランの最終確認および出港時刻などの打ち合わせを行う。この荷役責任者のことをフォアマンとよぶ。 荷役は通常、船卸しから始められる。岸壁では次々と揚がってくるコンテナの番号、シール番号と外装を検数員がマニフェスト(Manifest、積荷目録)に基づくデータと対査し、問題がなければ専用シャーシに乗せられトレーラーヘッドに引かれてコンテナヤードに搬入される。 ヤード内ではストラドル・キャリアやトランステナーなどの荷役機器によって段積みで蔵置される。また冷凍コンテナや危険品は専用の区画へ蔵置される。 船積みは船卸しと逆の要領である。ヤード内から船側(せんそく)に運ばれたコンテナは、積付けプランに従って本船に積み込まれる。通常船艙にはセル・ガイドという横ずれ防止用の枠があるので特に強固に固定する必要はないが、上甲板上に積む際には上下のコンテナ同士を「ツイストロック」又は「オートロック」などの器具で固定するほか、1-3段目までのコンテナを「ラッシングバー」「ターンバックル」などの頑丈な器具で厳重に固定する。 出港時刻は本船が着岸する前に既に決まっていることが多く、定められた時間までに荷役を終わらせて、本船は次の港へと出港していく。 自動ツイストロック 手動ツイストロック チェーンによるラッシング コンテナ船の内部 本船荷役専用シャーシと牽引するトレーラー
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