荷崩れによる危険性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/11 15:34 UTC 版)
貨物船などでは、搭載物が船の揺れや傾きによって片舷に寄ると、設計時の意図しない形で重心が偏るため、搭載物の固定は復原性を確保するのに重要である。特に穀物や粉体等の擬似的に流動性を持つ貨物は、船艙内であまり自由な運動を許すと船が波浪などで傾いた時に突然流動性を帯びて荷崩れを起こし復原性に対する「自由水影響」と同様の効果によって船の安定を著しく損なう場合がある。 専用運搬船では設計段階から船艙上部の隅をあらかじめ三角形の壁面で構成して荷崩れでの影響をあまり受けないようにしているが、それも8-10割程度の積載時の場合にしか効果はなく、全船艙に半分ずつ均等に積載するようなことはなるべく避けて、満載と空虚を交互に配置するような方法をとるのが普通である。これにより安全と共に、積み卸しとその後の清掃の手間がいくぶん省けるが、船体に剪断力が加わることになる。
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