色空間の変換
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/25 08:48 UTC 版)
モニターへの表示(モニター色空間を持つ)や、共通の表示色空間(sRGBやAdobe RGBなど)での保存のために、画像の色変換が行われている。色変換では、変換元の色空間プロファイルと変換先の色空間プロファイルを、プロファイル接続空間(PCS)により接続する必要がある。プロファイル接続空間には主に、ISO 3664 P2観視条件(ホワイトポイントD50、照度500lx、サラウンド反射率20%)の、CIE XYZ色空間とCIELAB色空間(LUT用)が使われている。ただしCIELAB色空間には色相の非線形性が存在するため、新たにJzazbz色空間がハイダイナミックレンジ (HDR) 画像向けプロファイル接続空間として提案されている。 色空間の変換には、マトリクス、1D-LUT (一次元ルックアップテーブル)、3D-LUTなどの方式が存在し、それぞれ特性が異なっている。 マトリクス方式では、ホワイトポイントの変換方法として、単純なXYZスケーリング方式の他に、LMS色空間を考慮した単純な変換方式と、それに加えて複雑な色順応も考慮した変換方式が存在する。LMS色空間を考慮した単純な変換方式には、古くから使われるBradford変換や、CIELABに最適化したCAT02変換が存在する。また、複雑な色順応を考慮した変換方式には、Bradford変換を利用したCIECAM97や、CAT02変換を利用したCIECAM02が存在する。 LUTでは、メモリ使用量の関係から実データよりも荒いテーブルが使われているため、様々な方法により補間が行われている。 LUTでは、PCSを仲介しないで直接変換することも行われている。 使用するRAW現像ソフトウェアと使用するカラープロファイルの対応具合によって、使用できる色変換方式が異なっている。 なお画像圧縮では表示色空間からYUV/YCbCrやICtCpなどの圧縮に向く色空間へと変換される。
※この「色空間の変換」の解説は、「RAW画像」の解説の一部です。
「色空間の変換」を含む「RAW画像」の記事については、「RAW画像」の概要を参照ください。
- 色空間の変換のページへのリンク