臭化クロム(III)とは? わかりやすく解説

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臭化クロム(III)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 01:50 UTC 版)

臭化クロム(III)
識別情報
CAS登録番号 10031-25-1 , 13478-06-3 (六水和物)
PubChem 82309
ChemSpider 74280
UNII WZB719DDER 
EC番号 233-088-6
特性
化学式 Br3Cr
モル質量 291.71 g mol−1
外観 黒色光沢結晶、透過光中では緑色、反射光中では赤色[1]
密度 4.25 g/cm3[2]
融点

1130 °C, 1403 K, 2066 °F ((無水物)[2]
79 °C (六水和物))

への溶解度 冷水に不溶、クロム(II)イオン塩添加で可溶[1]、熱水に可溶[2]
構造
結晶構造 三角形
危険性
許容曝露限界 TWA 1 mg/m3[3]
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

臭化クロム(III)(Chromium(III) bromide)は、化学式CrBr3無機化合物である。暗い色の固体で、透過光では緑色、反射光では赤色に見える。エチレン重合に用いる触媒の前駆体として利用される。

合成

チューブ炉中で、1000℃で臭素蒸気とクロム粉末を反応させることで合成される。純粋なジエチルエーテル抽出して臭化クロム(II)を除去し、続いて純粋なジエチルエーテルと純粋なエタノールで洗浄することで精製できる[1]

関連するクロム(III)ハロゲン化物の振る舞いに類似し、三臭化物は水に溶解してCrBr3(H2O)3を生成する。触媒量の還元剤を添加した場合のみ、臭化クロム(II)を生成する[1]。還元剤は、固体の表面に臭化クロムを生成し、これが溶解し、Cr(III)に再酸化される。

反応

350-400℃で水素ガスにより還元され、臭化クロム(II)を生成する[1]

2 CrBr3 + H2 → 2 CrBr2 + 2 HBr

出典

  1. ^ a b c d e Brauer, Georg (1965) (ドイツ語). Handbuch Der Präparativen Anorganischen Chemie. 2. Stuttgart; New York, New York: Ferdinand Enke Verlag; Academic Press, Inc.. p. 1340. ISBN 978-0-32316129-9. https://books.google.com/books?id=Pef47TK5NfkC 2014年1月10日閲覧。 
  2. ^ a b c Perry, Dale L. (2011). Handbook of Inorganic Compounds, Second Edition. Boca Raton, Florida: CRC Press. p. 122. ISBN 978-1-43981462-8. https://books.google.com/books?id=SFD30BvPBhoC 2014年1月10日閲覧。 
  3. ^ NIOSH Pocket Guide to Chemical Hazards 0141


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