自動電鍵の利用方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/04 20:36 UTC 版)
自動電鍵を利用するには、エレクトリック・キーヤーの機能を持つ回路が必要である。 最近のメーカー製の無線機で CW(電信)モードが送受信できる機種では、エレクトリック・キーヤーの回路が内蔵されているのがふつうである。このような場合、無線機にパドルを接続するだけで自動電鍵が利用できる。 CW モードに対応しているが、エレクトリック・キーヤーの回路が内蔵されていない無線機の場合、そのままでは単式電鍵(縦振り電鍵)は使用できるが自動電鍵は使用できない。このような場合、外部にエレクトリック・キーヤーの回路を用意する必要がある。エレクトリック・キーヤーの回路は完成品やキットが市販されているし、一から自作することもできる。自動電鍵を使用するには、エレクトリック・キーヤーのパドル接続端子にパドルを、キーイング出力端子を無線機の電鍵端子にそれぞれ接続する。また、エレクトリック・キーヤーとパドルとが一体になった電鍵も存在する。この場合は、その電鍵のキーイング出力端子を無線機の電鍵端子に接続するだけで自動電鍵が利用できる。 無線機にエレクトリック・キーヤーの回路が内蔵されていても、その機能が気に入らない場合は、内蔵のエレクトリック・キーヤーを使用せず、好みの機能を持つエレクトリック・キーヤーを外付けして利用することもできる。 エレクトリック・キーヤーは、最低限の機能として短点と長点とを出力できなければならない。次に、打鍵するスピードを速くしたり遅くしたり調節できる機能もほとんど必須といってよい。初期のエレクトリック・キーヤーは自作品が多かったため、最低限の機能を持つだけか、それに打鍵スピードを調節できる機能を付加しただけのものが多かった。これは当時入手できる電子部品で高機能な回路を作ろうとすると部品点数が多くなったり、回路が複雑になったりしたためや、自分専用に使用するので低機能でも本人が満足できる出来栄えであればよかったからといった事情がある。最近では、無線機内蔵であれ外付であれ、市販の完成品やキット、あるいは自作品であれ、高機能のエレクトリック・キーヤーが一般的に使われるようになった。たとえば、スクイズ操作に対応したり、よく打鍵する文字列を複数メモリしておき、ボタンを押すだけでメモリに登録してある複数の文字列の中から 1 つを選んで、自動的に打鍵したりするなどの機能などである(メモリ・キーヤーの機能)。高機能のエレクトリック・キーヤー回路が利用できるようになったのは、小型で高機能の電子部品(PIC や AVR 等のマイクロコントローラ等)が安価で入手し利用できるようになったためである。 フランスのL. Mors Paris製造のモデルF6BLK。1880年。 スイス軍で使用された電鍵。 日本の練習用縦振れ電鍵。 パドルと呼ばれる接点が2つある高速入力用の電鍵。 廃材や身近な材料でアマチュア無線家が自作した電鍵の例。
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