自動露出の限界
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/23 13:53 UTC 版)
条件によっては自動露出機能のもとでも適正な露出が得られないことがある。 自動露出はカメラ内のTTL(Through The Lens)露出計の測定によって適正露出を割り出している。TTL露出計は反射光式、すなわち一旦ものに当たって反射した光を測定するタイプの露出計である。この露出計は反射率18%を適正露出の基準としている。18%グレーの反射板を自動露出で撮影すると、常に適正露出となるように設計されている。この数字は色々な反射率を持つ色の混ざった被写体の平均的な反射率が18%であるところからきている。赤や緑などの反射率は18%前後であるといわれている。 しかし、被写体の反射率が18%からかけ離れているときはどうであろうか?例えば白の反射率は例えば雪の場合60%から72%ぐらいである。このような被写体に対すると、露出計は光量が実際よりも多い(反射率72%と仮定すると18%の4倍=2EV分の光量)と判断し、実際よりも暗く写そうとする。その結果、自動露出で白っぽいものを撮ると露出アンダーとなる。また、黄色やオレンジ色は白ほどではないが18%より反射率が高く、自動露出では露出アンダーになりがちである。右側の上の写真は真っ白な雪の部分をスポット測光して撮影したものである。実際に非常に露出アンダーとなっている。(最近の多分割測光ではこれほど極端なアンダーにはならない。) また、黒の反射率はおよそ3%といわれる。黒っぽい、反射率が18%より低い色が画面の多くを占める場合、露出計は光が足りないと判断し、カメラは絞りを過剰に開いたり、シャッター速度を遅くしたりするなどして、露出オーバーに写してしまうのである。
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