臨床研究登録制度
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従来の臨床試験はその実施中に詳細を公表されることなく、結果報告の時点でその実施要領と合わせて明らかにされることが多かったため、「都合の良い結果が出たものだけが論文発表され、そうでないものが表に出てこない」(出版バイアス)可能性が指摘されてきた。そのため、試験実施者にとって都合の悪そうな情報が最終段階まで研究されない、あるいは研究されても報告されない、という倫理的問題を指摘されてきた。 また、参加施設も事前に計画に参加した医療機関に限られたため、広く治験への参加を呼びかける広報活動が困難であった。 これらの背景を受けて、医学雑誌編集者国際委員会 (ICMJE) は2004年9月に「生医学雑誌への投稿のための統一規定 (Uniform Requirements for Manuscripts Submitted to Biomedical Journals: Writing and Editing for Biomedical Publication)」を提唱し、医学雑誌に投稿される臨床試験について事前にプロトコル(手順書)の登録・公開を義務付けるように各誌に呼びかけた。これを受けて北米・欧州・日本に複数の臨床試験登録機関が発足し、日本国内でも2005年より大学病院医療情報ネットワーク (UMIN) や(財)日本医薬情報センター (JAPIC) による運用が始まり、翌2006年には日本医師会も同様の取り組みを行っている。 登録に際して必要な情報は各登録機関の間で大きな差異はないが、登録する研究の対象範囲や情報公開に用いられる言語の種類などにそれぞれ特徴がある。
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