臨床疾患および微生物学的診断
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/22 01:30 UTC 版)
「ノカルディア属」の記事における「臨床疾患および微生物学的診断」の解説
Nocardia asteroidesは最も頻繁にヒトに感染するノカルディア属の一種であり、ほとんどの場合、免疫不全症の患者での日和見感染として起こる。医学的に関心のある他の種は、N. brasiliensisとN. caviaeである。 ヒトのノカルディアの疾患で最も一般的なのは低進行性肺炎であり、一般的な症状は、咳、呼吸困難、および熱を含む。この感染が胸膜まで感染が広がることは稀である。すでに存在する肺の疾患、特に肺胞タンパク質症は、ノカルディア肺炎にかかる危険性を増す。全身に広がった場合、あらゆる器官が影響を受ける。 ノカルディア属の一種は主要な病原効果の1つとして心内膜炎の過程に深く関わっている。 約25-33%のヒトでノカルディア属の感染は脳炎および/または脳腫瘍を形成する。 ノカルディア属はまた、放線菌腫(特にNocardia brasiliensis)、リンパ皮膚型疾患、蜂巣織炎、および皮下腫瘍のようなさまざまな皮膚の感染を引き起こすことがある。 生物学的試料からのノカルディア属の単離は、レジオネラに使われるのと同じ酵母抽出液と活性炭に富む寒天培地(BCYE)を使って行われる。マイコバクテリアや真菌用の選択培地も用いられる。最も適した試料は唾液であるが、臨床で必要であれば、気管支肺胞洗浄検査または生体組織検査である。種を特定するためのさらなる生化学的検査は通常行われない。 血清検査と皮膚反応は利用できない。
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