膜受容体関連疾患
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/19 16:05 UTC 版)
膜受容体が変性または欠損していると、シグナル伝達に支障をきたし、疾患を引き起こす可能性がある。一部の疾患は、膜受容体機能の障害によって引き起こされる。これは、受容体タンパク質をコードし、調節する遺伝子の変化による受容体の欠損や変性が起こるためである。膜受容体 TM4SF5(英語版)は、肝細胞の遊走や肝腫に影響を与える。また、皮質NMDA受容体は膜の流動性に影響を与え、アルツハイマー病では変化する。細胞がエンベロープのないウイルスに感染すると、ウイルスはまず特定の膜受容体に結合し、その後、それ自体またはサブウイルス成分を細胞膜の細胞質側に通過させる。ポリオウイルスの場合、受容体との相互作用がコンホメーションの再配列を引き起こし、VP4と呼ばれるビリオンタンパク質を放出することがin vitroで知られている。VP4のN末端はミリスチル化されているため、疎水性である (ミリスチン酸=CH3(CH2)12COOH)。受容体の結合によって誘導されるコンホメーション変化により、VP4にミリスチン酸が付着し、RNAのチャネルが形成される結果となることが提案されている。
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