脳内現象説への批判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 02:19 UTC 版)
ある立場からは“唯脳論仮説”と呼ばれる解釈には、科学者や医師からも批判がある。彼らの主張によれば臨死体験では、従来の科学な理論の枠組みでは起きえない現象が起きているので、これを説明できる「新しい理論を考え出す時期に来ているのかも知れない」とも指摘されている。 臨死体験が起こる条件は決して単一ではない。全身麻酔時だけでなく、様々な要因による心肺停止時や、異なる怪我による重症、はては日常生活においても起こる。それぞれ異なる脳の状態にあったと思われる体験者が共通性のある体験を報告する事実が、解釈仮説の構築を困難なものとしている。 臨死体験中に幻覚が起こる事もあるが、コア体験者たちはそうした幻覚と臨死体験は明確に違うものであったと断言している。そうした回答者の中には、事前に幻覚の経験があったため比較検討が出来る機会にあった者や、幻覚の性質をよく知る精神科医なども含まれている。同様に、臨死体験は「夢」とも全く異なるものであるとも彼らは語っている。 ベルギーのリエージュ大学の研究では、臨死体験の記憶には「実際に起こった出来事についての記憶に本来固有であるような体験的な性質」が、(「実際に起こった出来事についての記憶」よりも)多く含まれることが認められた。この事から、臨死体験の記憶は、脳内で生成された架空の出来事についてのものではなく、「実際の知覚」に基づき生成された記憶である可能性が示唆された。
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