能楽など
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/13 04:30 UTC 版)
通常の扇子を二つに割り、全体に紙を巻き、さらに上から皮もしくは紙で化粧貼りをした上で、要のあたりに持手をつける。二本一対で用い、両手にそれぞれを持って、欅製などの拍子板(張盤:はりばん)を打つ。 能楽では、アシライと称して、稽古や申合せの際に、小鼓・大鼓・太鼓を扇拍子で間に合わせることがある。これはあくまで略式の演奏であるとされるが、特に大鼓のように道具の準備に時間のかかる楽器においてはすぐれた代替法として用いられており、音色よりも間を尊重する能楽の楽器にあっては当を得た奏法であるといえる。 それぞれ専門の職掌の者が行うほかに、謡の稽古の際に師匠がアシライをすることもある。なお、張扇を用いることはないが、舞台上で鼓が破れた場合には扇拍子でアシライを打つのが正規の代替法であり、江戸期までは素謡の席で地頭が扇拍子をとって地を統率することもあった。
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