胡錦濤体制下での方針転換
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「国進民退」の記事における「胡錦濤体制下での方針転換」の解説
2002年に胡錦濤体制が成立すると、一連の民営化の動きが鈍くなり始める。民営企業への市場の開放を謳う一方で、国有経済の管理と堅持を強調する動きも強くなった。国有・公有経済と民有経済は相対立するものとして捉えられるようになってきた。胡体制成立後の2004年3月には、党規約の改正にあわせて中華人民共和国憲法も修正され、公有制と非公有制の地位にも言及し、公有制、非公有制のどちらも奨励しており、どちらを強く支援するかは曖昧であった。しかし、2003年4月にもともとは国際競争力を強化するために設立された国有資産監督管理委員会が、次第に「国有企業体制の堅持」を司る官庁としての性格を強めていった。2005年2月に、「国務院の個体経営など非公有経済発展の奨励、支持、指導に関する若干の意見」(非公有36条)と呼ばれる通達が出された。国有企業が独占していた分野への民営企業の参入、民営企業への支援制度の導入が打ち出され、国有企業の民営化がさらに進むのではという観測も一時流れた。しかし、その後、胡政権の施政方針として出された「国務院の2005年経済体制改革を深化させるための意見」では、国有資本堅持が打ち出され、これにより国有企業民営化の全面的な展開は否定された。そして、この方針を補完するものとして、2006年12月に「国有資産監督管理委員会の国有資本調整および国有企業再構築に関する指導意見(97号文件)」が出される。この政策文書が、事実上「国進民退」を宣言している。
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